マット菌とは? ~ 治療方法、対策について ~
- 2022年10月23日
- 皮膚科
当院の医療コラムをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回の皮膚科のテーマは<マット菌>。
マット菌と聞いて、「?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
直感の鋭い方ですと、もしかしたら想像がついているかもしれません。
マット菌とはお名前の通り【マット(sports mat)にいる菌】のことです。
レスリングや柔道をはじめとする格闘界の選手や、関係者、御家族の方々でマット菌を聞いたことがない、という方はおそらくいないのではないでしょうか。
それほど、格闘界ではマット菌により悩まされるケースが多いといえるでしょう。
このマット菌の正体は、トリコフィコン・トンズランス(Trichophyton tonsurans)という、【水虫の原因でもある白癬(はくせん)菌】という真菌類の仲間です。
感染力が非常に強いうえに、かゆみなどはっきりとした症状が出ないこともあるため、知らないうちに他の選手や御家族へとうつしてしまうことも多く、チーム内でも問題となってしまうケースが多いのです。
マット菌は競技で使用するマットや畳を介して感染することが多いといわれますが、
実際は感染者との肌の接触でも感染しますし、タオルや練習着などからも感染するといわれます。
【感染経路】
・感染者との肌の接触
・練習や試合会場で使用するマットや畳から
・タオルや練習着など
【症状】
身体:淡いピンク色の皮疹の症状、丸く縁取ったような円状の皮疹、かゆみは出るときと出ない場合があります
頭部:ふけやかゆみ症状、重度になると、膿がでて脱毛するケースもあります
【治療】
身体の皮疹には塗り薬を塗ります。1か月以上塗って治療を行っていきます
頭部にも症状がある場合は塗り薬や飲み薬で治療を行っていきます
【感染を広げないために】
・練習後は速やかに手洗いをし、シャワー、お風呂に入り、体・頭を清潔にしましょう
・使用するマット、畳は定期的に消毒しましょう(アルコール、次亜塩素酸ナトリウム、熱湯など)
・練習で使用した練習着、タオルは毎回洗濯し清潔にしましょう
・皮膚症状で「あれ?」と思ったら速やかに皮膚科を受診しましょう
治療は早期の方がより良いですし、根気も必要です(1か月以上治療を継続します)ので、あれ?と思ったらすぐに皮膚科へご相談下さい。
皮膚症状での心配事をなくし、少しでも練習や試合に集中できる環境つくりのお手伝いが出来ましたら幸いです!
★ 試合に出場される方へ ★
診断書が必要な方はお申し付けください。
診断書発行には診察料とは別に3,300円(税込み)かかります。
副院長・皮膚科部長
青山 真緒
♪アトピー性皮膚炎、にきび、脂漏性皮膚炎、酒さ、ヘルペス、いぼなどの保険診療は予約なしで受診が可能ですが、ネットより予約(順番予約)をお取りいただけますと、よりスムーズにご案内が可能です。疾患、症状によっては多少順番が前後する場合がございます。ご了承頂けますと幸いです。
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