ジルコニア治療を行っています
- 2025年4月13日
- 歯科口腔外科
曙橋ココティエクリニック歯科口腔外科の院長・口腔外科専門医の青山謙一です。
皆さんはジルコニアという材料をご存じでしょうか?
ジルコニアはジュエリーに多く使用されていますが、強度、耐久性、美容性に優れた素材として歯科治療にもよく使われています。
当院は保険診療を中心に対応していますが、患者さんのご希望に応じて保険外診療の歯の詰め物、かぶせ物ではジルコニア治療を積極的に取り入れています(ジルコニアインレー・ジルコニアクラウン・ジルコニアセラミッククラウン・ジルコニアブリッジ等)。これらの治療には積極的に口腔内スキャナーを使用して、より精度の高い治療を行っています。
他の治療と同様ですが、ジルコニア治療には利点と欠点があります。
具体的には、以下のような利点と欠点があります。
〇 利点
【強度と耐久性高い】
ジルコニアは非常に強固な素材です。従来の金銀パラジウム金属やゴールドに匹敵するか、それ以上の耐久性を持っています。特に、噛む力が強い部分でも長期間使用できるとされています。
【見た目が良い】
自然な歯の色に近いため、審美性が高いです。また、劣化することがないため、美しさが半永久的に維持されます。奥歯にはジルコニア単体で十分な美しさが得られます。透明性が従来のセラミックに劣るため、透明感を必要とする前歯にはジルコニアフレームの表面にセラミックを上乗せしたジルコニアセラミッククラウンが勧められます。
【生体親和性が良い】
ジルコニアは生体適合性が高く、アレルギー反応を引き起こしにくいです。金属アレルギーのある患者さんでも安心できる材料です。
【摩耗に強い】
歯ぎしりや食事による摩耗に強いため、長期間にわたって安定した性能を発揮します。
【腐食しない】
金属と異なり、ジルコニアは酸化や腐食に強いため、長期間にわたって安定して使用できます。
〇 欠点
【硬すぎることがある】
非常に硬い素材のため、対合歯(咬み合う歯)に対して過度の摩耗を引き起こす可能性があります。これが、特に天然歯との接触で問題となることがあります。ですので、調整には慎重に行う必要があります。非常に硬い材料ですので少しの調整でも時間がかかりますが、当院では十分に調整を行います。また、装着後にも必ず使用感を伺い、必要に応じてさらに調整いたします。
【加工の難しさ】
ジルコニアは硬いため、加工が難しく、専門的な技術と設備が必要です。ジルコニアはデジタルデータ(CAD)を基にコンピューターで形態をシミュレーションし、ミリングマシーンという3Dプリンタのような機械がブロックから切り出して作製されます。主にコンピューターが作製します。そのため、歯科技工士が模型上で作製していた従来の金属やセラミック等と歯の削り方が大きく異なるため、ジルコニア治療に慣れた歯科医師が削らないとぴったりとした修復物が仕上がりません。当院では口腔内スキャナによって、デジタルで型を取り、その場で画面を見ながら形に問題がないか確認しています。
【壊れるリスク】
他の治療と同様に、極端な衝撃や歯ぎしり等が原因となって割れてしまうことはあります。当院では、口腔外科専門医が顎関節症は歯ぎしりについて初診時に診断を行い、リスクがある場合には顎関節李朝を行ってから歯科治療を行っています。
【自由診療である】
保険診療に比べると治療費用は高いです。当院ではジルコニアインレー52,800円、ジルコニアクラウン88,000円、ジルコニアセラミッククラウン132,000円ですが、主にコンピューターが作製するためにヒトの手間が減っていることで、従来のセラミック治療よりやや安価に設定されています。
〇 結論
ジルコニアは、強度、美容性、生体親和性に優れた素晴らしい素材ですが、他の治療と同様にリスクが全くないわけではありません。慣れた歯科医師が口腔内スキャナー等の適切なデバイスを利用することで非常に優れた治療結果を得ることができる素材です。ご興味のある方は、曙橋ココティエクリニック歯科口腔外科の院長にお気軽にご相談ください。
曙橋ココティエクリニック歯科口腔外科 院長・口腔外科専門医 青山 謙一