ワキ汗でお悩みの方へ
- 2023年1月18日
- 皮膚科
当院の医療コラムをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回のテーマは【ワキの汗】
汗 = 夏(Summer)
の印象が強いと思いますが、
汗をかきにくい寒い冬の季節でも、
私達人間は、汗をかいています。
寒い冬は
着る洋服も厚着になりますし、
こまめな温度調節も難しくなりますね。
そのため厚着の冬季も、
汗に関するお悩みは尽きません。
【原発性腋窩多汗症】
(げんぱつせいえきかたかんしょう)
という状態を皆様は御存知でしょうか?
ホルモンや神経の異常が無いのにも関わらず、
日常生活に影響がでてしまうくらい
大量の汗をかいてしまう状態です。
以下に診断基準を示します。
~ 原発性腋窩多汗症の診断基準 ~
半年以上前より
原因不明の過剰なワキ汗が続いている
さらに以下の6項目のうち2項目以上が当てはまる
①初発年齢は25歳以下
②両脇に同じくらい多くの汗をかく
③睡眠中はひどいワキ汗は止まっている
④週1回以上多くのワキ汗をかく
⑤家族や親族にも同じ症状がみられる人がいる
⑥大量のワキ汗によって日常生活に支障をきたしている
これらの診断基準に当てはまりますと
原発性腋窩多汗症の診断がつき、
自覚症状によっては保険での治療が可能です。
~ 原発性腋窩多汗症の治療法(保険適応) ~
◎ 外用剤
・エクロックゲル(12歳以上で使用可)
・ラピフォート
(拭き取りタイプ、9歳以上で使用可)
◎ 内服薬
・抗コリン薬
・漢方薬
~ 原発性腋窩多汗症の治療法(自費治療) ~
◎ ボツリヌス療法
◎ 塩化アルミニウム製剤
<エクロックゲル・ラピフォート>
エクロックゲルとラピフォートは有効成分は異なりますが、作用機序は同じです。
⇒汗の腺に発現するムスカリン受容体タイプ3に有効成分が結合し、発汗シグナル伝達をブロックすることにより制汗作用を発揮します。
効果の発現にはどちらも2~4週間かかります(個人差があります)ので治療をしっかり継続することが大切です。
またどちらも抗コリン作用があるため閉塞隅角緑内障や前立腺肥大による排尿困難がある患者さまは使用できません。
<ボツリヌス療法とは>
ボツリヌス菌がつくる天然のたんぱく質から精製された薬剤をワキの下に直接注射する治療法です。
交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックし、発汗を抑えます。
※使用するのはボツリヌス菌がつくるたんぱく質から精製された薬剤であり、ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないため、感染の心配はありません。
治療効果:効果は、治療後2~3日で現れ、4~9ヶ月間持続します。(個人差があります)
注意事項:全身の筋力低下を起こす病気の方、妊娠中、授乳中、妊娠している可能性のある方はこの治療を受けられません。
ワキの汗のお悩みは
なかなか相談しにくい症状の1つです。
* 汗くらいで皮膚科を受診してもいいのかな?
* もしかしたら気にしすぎなのかも…
* 他人に相談するのが恥ずかしい
* 治療をしてみたいけれどお値段高いのでは…
おひとりで悩まず、1度ご相談くださいね^^
皆様のお悩みが1つでも解決できますように!
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皮膚科部長
青山真緒
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