口腔がん検診
口腔がん検診
口腔がんに新規に罹る患者様は、日本では年間約7,000人といわれています。がんは細胞の老化によって起こるものなので、平均寿命が延びるにつれて口腔がんの患者様は増え続けます。前立腺がん等、一部のがんの中には血液検査で発見できるものもありますが、口腔がんの診断は専門家が直接診察を行い、組織や細胞の検査を行うことが必要です。
当院は豊富な口腔がん治療経験を持つ口腔外科専門医が、口の中や頸(くび)のリンパ節などを診察します。万が一、治療を要する病気が発見される場合には、速やかに連携医療機関に紹介します。
当院では、特殊な光を当てることで、目には見えない粘膜の下の腫瘍を映し出すことができる装置「Oral ID」を導入しています。
痛みの有無にかかわらず、1週間以上治らない口内炎や「できもの」は腫瘍の場合があります。とくに、口内炎のぬり薬には腫瘍の進行を早めるものもあるので、漫然と塗り続けると危険です。腫瘍は痛みを伴わない場合も多いので、ちょっとした違和感だけでも、普段との違いや不安があればすぐに専門医を受診してください。症状がある場合には、保険での診察となります。まずはお電話でご相談ください。
食道や胃などの上部消化管のがんを経験した方の約10%に、口腔がんが発生します。消化器のがんの経験のある方は、口の中の粘膜が荒れていることが多く、がんになる前の状態である「前がん病変」が見つかることもあります。消化器がんを経験された方は、定期的に口腔外科医の診察が必要ですので、ご相談ください。
米国では1年に1回の口腔がん検診を受けることが一般的です。口腔がん患者の死亡率は、日本では約40%なのに比較して、米国では約20%とされています。米国で死亡率が低い理由は、定期検診の普及の結果であるとも考えられています。
口の中は専門家が直接、見る・触れることのできる部位で、外来でほとんど体への負担なく検診が受けられます。
当院は口腔外科専門医が視診・触診を十分に行い、画像検査も利用して検診を行います。視診・触診・画像診断で十分に信頼のできる診断が可能ですが、御希望の方には舌や頬の粘膜を綿棒で擦って少量の細胞を採取し、検査センターに提出して顕微鏡で腫瘍の有無を判断することも可能です(細胞診)。
所要時間は45分から1時間ほどです。
所要時間は20分ほどです。
口腔がんは早期で発見されれば、ほとんどの方が助かります。早期がんでは、舌などの一部を切除する30分ほどの小さな手術となり、多くはもともとの生活に戻れます。
それに対し、進行がん(腫瘍が大きい、頸のリンパ節への転移など)になると、残念ながら手術をしても5年後に存命の方は半分に満たないとされています。また、進行がんでは、舌やあご等を大きく失う手術が必要となり、お腹や太ももの皮膚や筋肉を移植します。手術時間は10時間を超えます。手術のあとは、病気になる前と同じように食べたり話したりすることが困難となる場合が多く、リハビリも大変です。
口腔がんは、合わない入れ歯や虫歯などが粘膜に傷をつけ続けることでも発生します。当院に受診いただく場合には、歯を含めて口を隅々まで診察します。
不安を残さないように、少しでも異変を感じていたら当院にご相談ください。